医院と社宅併設物件の消費税処理について

こんにちは。税理士の竹居です。

医療法人の理事長からのご質問です。1階はクリニック、2階は社宅の賃貸借契約を交わしました。

賃貸借契約書には、1階はクリニック、2階を住宅として使用する旨が記載されており、賃料は

60万円(別途消費税5%)と記載されています。

家賃の全額を消費税の課税仕入として処理して問題ないでしょうか。

 

家賃の設定を内税にするか外税にするかは賃貸人と賃借人が任意に決めることが出来ます。

本来、住宅用の家賃は非課税であり、それに対して消費税を転嫁することは商取引として問題は

ありますが、これにより消費税の判断が変わる訳ではありません。

面積等により按分計算して、住宅用については非課税で処理します。

消費税の計算において住宅用の部分を経費処理するのは間違いです。

契約書より実態で考えましょう!

家主の方にも区分計算する旨を教えてあげると良いかもしれないです。

 

本日の白黒判定は↓

 

本日の白黒度

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内覧会、開院初日は盛況でしたが、最近は閑古鳥が鳴いています。何か対策はありますか。

こんにちは。税理士の竹居です。

今年の3月に開業された院長先生からのご質問です。

内覧会、開院初日は患者さんの来院も盛況でしたが、その後、一日あたり7人とか10人前後の日が続

いています。何か対策はありますか。

  

内覧会や初日は盛況なものの、その後暇な日が続くという話はよく聞きます。

これは、内覧会や開院日の情報を入手した方がクリニックの品定めをする為に来院することが多いため

です。ここで患者さんの印象に残る内覧会が出来れば良いのですが、ありきたりの内覧会で終わると、

その後、閑古鳥がなくケースはよくあります。

それでも、まだまだ挽回のチャンスはいくらでもありますからご安心下さい。

代表的な打開策をご紹介します。

プラン1

 クリニック周辺に広告を打ちましょう!先生が思われているほど、近隣の住民の方はクリニックの存在

 を知りません。まず、クリニック周辺を歩いて下さい。人の出入りがある場所、目立つ場所に看板を

 設置しましょう。この時にLEDライト付の看板が設置出来るといいですね。

 夜間はまわりが暗い分、ライト付の看板は広告効果が抜群です。

プラン2

 HPを作成しましょう。ただし、HPがあるだけでは今や何の差別化にもなりません。

 HPの作成の仕方だけで印象が大きく変わります。

 先生の写真をはじめ先生の人柄や得意な診療分野が分かる記事を織り込みましょう。

プラン3

 スタッフの対応を再度チェックしましょう?常々思うのですが、スタッフはクリニックの第2の顔です。

 スタッフの方々にはここは自分のクリニックという愛着を持って働いて欲しいですね。そう思うだけで、

 おのずと患者さんへの対応も違ってきます。

プラン4

 上記以外にも対策はあります。これは代表例をあげただけです。

 先生の置かれている環境により、打つ手は無限にあります。落ち込んでいる暇などありません。

 頑張りましょう!

 

医療法人の名称を変更したいのですが、可能ですか?

こんにちは。税理士の竹居です。

医療法人の理事長からのご質問です。医療法人の名称を変更したいのですが、可能ですか?

  

医療法人の名称は変更することが可能です。

ただし、変更するには定款変更をする必要があります。

定款変更をするには、医療法人の所在地の都道府県(医療機関が複数の都道府県にある場合は関東

信越厚生局)に認可申請書を提出します。

この場合、各都道府県により管轄内にすでにある名称には使用出来ないとしている都道府県もあり

ます。認可後は法務局で登記する必要があります。

診療圏調査の数値ほど患者さんが来院しません。どうしてでしょうか?

 こんにちは。税理士の竹居です。

開業1年を経過したクリニックの院長先生からのご質問です。

開業前に診療圏調査をして貰ったところ、一日平均35人の患者さんが来院する予定と出ましたが、蓋を

開けてみると一日20人足らずに低迷しています。

どうしてでしょうか。 

 

 この手の話は良く聞きます。まず、診療圏調査とは開業しようとするクリニックの診療圏に居住する

人口を年代別に分類します。年代別の人口に受療率を掛けたものが潜在患者数です。その潜在患者

の人数を診療圏内に存在する病院・クリニックの数に自院を加え、何人程度の患者の来院を見込める

かを予測するものが診療圏調査です。診療圏をどこまでとするか、競業のクリニックの実力をどの程度

にするかによって来院数値は変わって来ます。

 製薬会社や卸会社が行っている無料の診療圏調査は人口データや開業情報が古い場合が多く、

正直なところ、現実的な数値ではないことの方が多いです。

 診療圏調査は、あくまで参考程度に考えた方が良いと思います。

逆に診療圏調査で採算が取れないと言われた場所で開業して、繁盛クリニックになった医療機関は

たくさんあります。業者任せではなく、先生が開業しようとする場所に何度も足を運び、周辺地域の方々

と長きに渡り付き合っていく覚悟があるかの方がはるかに重要です。

開業後も熱意を失わず努力を続ければ、医療機関の場合は他の業種よりまだまだ結果が出やすい

というのが私の考えです。

ただし、診療圏調査の結果がすぐに実現するほど、開業の世界は甘くないです。

クリニック開業前の経費はどのように扱うのですか?

 こんにちは。税理士の竹居です。

ブログの更新がしばらく滞ってしまいました。確定申告の計算は昨日で全て終了しました。

PCをデュアルディスプレイにしてから、仕事の効率がアップしました。

昨年より2日程早く終了しました。ITって活用すべきですね。

本日からまた定期的にブログを更新して行きます!

  さて、本日は昨年の11月に個人で開業した院長先生からのご質問です。

開業前にいろいろ経費を使いましたが、これらの経費はどのように扱うのですか。

 

 

 事業を始める為に使用した経費は開業費の科目で処理します。該当する項目を下記に記載します。

意外にいろいろな経費が開業費になります。領収書を保存して、漏れなく経費に計上しましょう。

・業者との打ち合わせ時の飲食代、交通費

・クリニックの開設までにかかった電気代、水道代等の光熱費

・開院するまでの家賃(内装工事期間中も含む)

・職員の求人広告費

・研修期間中の職員の給与・交通費

・内覧会時の経費

・開業準備の為の文具、備品等の消耗品

 ※ただし、固定資産や薬品仕入は開業費には含みません。

 

次に仕訳です。

借方

貸方

開業費  ×××

事業主借  ×××

 

 この開業費ですが、60ヶ月間の均等償却または任意償却として経費にすることが出来ます。いつでも

自由に好きなだけ経費にすることも出来ます。

もちろん、償却期間経過後も任意償却が可能であることは「国税庁の質疑応答の照会」に掲載されて

います。ということは、6年目に全額経費に計上しても何ら問題ありません。

開業当初は、何かと経費がかかり利益が出ません。順調に事業を運営されて利益がたくさん出て、

所得税率が高くなってから経費にすることも可能な訳です。

是非、利益操作のお墨付きが付いている開業費を上手に活用しましょう。

 なお、法人の場合は個人の場合と違い、家賃、光熱費、職員給与等のような経常的な経費は開業費

に含めず、開業時の経費として一括で処理します。ご注意下さい。

個人から医療法人への業務移行時期についてのシミュレーション

 こんにちは。税理士の竹居です。

本日は措置法26条の活用についての話です。

この制度は社会保険診療報酬が5,000万円以下の医療機関が受けることが出来る優遇税制です。

税制改正の時期になると制度の廃止が話題になることでも知られています。

保険診療が中心の医療機関の場合は、社会保険収入だけで5,000万円を超えてしまうケースも多く、

また仮に5,000万円以下の場合でも家族へ給与を支払っている場合は実際の経費の方が多くなってし

まい活用出来ないケースも多いです。

 そんな優遇税制ですが、法人成りした場合は法人へ業務を移管する時期によって、この優遇税制を

活用出来るケースがあります。移管する時期によっては税金が数百万円も違ってくる場合もあります。

また、よくお客様から「何月から法人に業務を移管した方が良いですか。」と聞かれます。

①個人より法人の方が税率が低いこと、②給与所得控除が使えることから法人登記完了後は速やか

に法人に業務を移管する方が有利と答えています。

そこで移行時期によりどの程度有利になるかを検証した事例をPDFファイルに添付しました。

   クリック↓

法人業務移行時期シミュレーション

非常勤医師が設立した法人に支払う報酬に事業性はありますか?

 こんにちは。税理士の竹居です。

医療法人を経営する理事長からのご質問です。

代診ドクターから法人(事業会社)を設立したので、報酬は個人口座ではなく法人口座へ入金して

欲しいと言われました。

今まで給与として支払っていましたが、法人口座へ入金して問題ないでしょうか? 

 

 医師法第1条で「医療及び保健指導は医師の職分であること」、医師法第17条で「医師でなければ

医業をしてはならない。」この文言から医師の資格は個人に付与されていると解釈出来ると思います。

  また、医療行為が行える法人は医療法人に限定されているため、一般の事業会社で医療行為を

行うことは出来ないと考えるのが妥当だと思います。

上記から判断すると継続的に時間的な拘束を受ける役務提供は、医師個人に帰属する労働の対価

と考えるのが自然であり、医療法人が代診ドクターに支払う金品は雇用の対価により支払う給与と

考えた方がよさそうです。

給与であれば源泉徴収義務が生じことになり、医療法人が源泉徴収をしないで支払っていると源泉

徴収義務違反に問われることにもなりかねません。

 また、この代診ドクターも所得税の申告漏れを指摘される可能性が高いです。

ということで、代診の先生には違法性が強いことをお話されることをお勧めします。

 実際に上記と同様の事例が国税不服審判所で争われ、法人設立後も医師の対価は個人の所得

に帰属するとされた採決もあります。(昭和62年12月25日採決

 ということで本日の白黒判定は↓

 

本日の白黒度

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医療法人の理事長を解任したいのですが、任期の途中で解任出来ますか?

 こんにちは。税理士の竹居です。

医療法人の若先生からのご質問です。(お父様が医療法人の理事長をなさっています。)

父は現在診療をまったくしていません。仕事をしていないにもかかわらず、高額な給与(月額120万円)を

取っています。そのうえ、このたび父が医療法人に賃貸しているクリニックの家賃の値上げまで要求して

来ました。 もはや我慢がなりません。医療法人の理事長を今期限りで解任したいと思います。可能

でしょうか?

 

 親子がドクター同士の医療機関では、この手の話は良く聞きます。

大なり小なりどこの医療機関でも抱えている問題です。

  さて、一般的に医療法人の理事長を解任することは可能かという問題を考えていきます。

医療法48条の3の4項に示すように臨時社員総会を開催し、決議が得られれば、任期の途中でも理事

長を解任することは可能です。臨時社員総会で決議するには、総社員の過半数の出席、出席社員の

過半数の賛同が得られれば解任することは可能です。

ここで、医療法46条の2の3項では役員の任期期間を2年を超えることが出来ないと定めています。

もし、特段の理由もなく理事長を解任した場合には解任から任期満了までの期間(最高で2年近く)

の役員報酬を要求される可能性がありますので、十分ご注意下さい。

 

 上記のような手続きを踏んでも赤の他人の場合には大きな問題になりませんが、こと親族の争いに

なるとそうはいきません。事業を離れても親族としての付き合いがあります。

難しいとは思いますが、お父様とよく話し合い、双方譲り合えることは譲って、解決していくことが望まし

いと思います。お父様には税理士に「仕事をしないのに報酬を支払うと過大役員給与に認定される」、

「理事長と医療法人の取引は利益相反取引になるので、管轄の行政に特別代理人を選任する必要が

あり、相場とかけ離れた家賃設定は認めて貰えない。」と言われたと言ってみてはいかがでしょうか。

医療法人を飛び出すとか理事長を解任するのは最終手段と考えた方が良いと思います。

 

【参考法令】

医療法48条の3の4項

理事長は、総社員の5分の1以上の社員から会議に付すべき事項を示して臨時社員総会の招集を請求

された場合には、その請求のあった日から20日以内に、これを招集しなければならない。

ただし、総社員の5分の1の割合については、定款でこれを下回る割合を定めることができる。

 

医療法46条の2の3項

 役員の任期は、2年を超えることはできない。ただし、再任を妨げない。

 

待合室に飾る絵画を購入しようと思います。絵画購入費は事業経費になりますか?

 こんにちは。税理士の竹居です。

医療法人を経営する理事長からのご質問です。

待合室に飾れるような絵画(20号で100万円程度)を購入しようと考えています。これは事業経費になり

ますか?

 

 絵画と一口に言いましても千差万別です。

税法では次のように定められています。(所基通7-1-1

美術年鑑に載っているような作者の絵画は、原則として減価償却資産には該当しません。

金額の多寡を問わず資産に計上して下さい。理由は希少価値があり、時の経過により価値が減少

しない書画骨董に該当するとされているからです。それ以外の絵画で書画骨董に該当するかどうか

が不明な場合は下記をご参照下さい。 

(1)取得価額が20万円未満の絵画

   一括償却資産として3年で経費化することが可能です。

(2)取得価額が20万円以上、ただし1号あたりの価格が2万円未満のもの

   減価償却資産として扱い、耐用年数5年で経費化することが可能です。

(3)取得価額が20万円以上かつ1号あたりの価格が2万円以上のもの

   美術的な価値の高い書画骨董に属し、減価償却資産として扱うことは出来ません。

   法人の資産に計上して下さい。

※現在の税制では青色申告事業者は30万円未満の減価償却資産は一括で経費計上することが出来

  ます。ただし、事業年度内で総額300万円以内に限る。

  今回の絵画は1号あたり5万円になりますので、美術年鑑に載っている以前の話になり、残念ながら

事業経費にすることはできません。

事業に使うからといって全て経費になるとは限りません。

最近は、取り扱いが便利ということで絵画レンタルを利用される先生もいらっしゃいます。この場合は

絵画の価格に関係なく全額が事業経費になります。

購入ではなくレンタルを活用するのも資金の固定化を防ぐ一つの方法です。

病気でクリニックを訪れた際にセンスの良い絵が飾ってあると気持ちが和みますね。

ただし、取り扱いには十分注意しましょう!

ということで本日の白黒判定は↓

本日の白黒度

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患者さんが入院している医療機関から振り込まれた治療費の処理は?

 こんにちは。税理士の竹居です。

眼科の医療法人を経営している理事長からのご質問です。

DPC算定病院に入院している患者さんを診療しました。

病院から治療費相当額が振り込まれました。この収入は保険収入で処理しても良いですか?

 

 入院中の患者さんが別の疾患で他の専門医やかかりつけ医を受診することがありますが、現在の

医療制度では、国は医療費抑制のため原則的に他科受診を認めないシステムにしています。

平成22年度の改定でDPC算定病院の入院患者の他科受診抑制も制度化されました。

この制度の問題点は、入院中の患者さんが他医療機関を受診した場合に実施された診療にかかる

費用を入院医療機関において算定し、他科医療機関では算定出来ないシステムという点です。

また、入院医療機関においても患者が他科を受診すると、保険請求の算定に制限が加えられるよう

になっています。

従って、入院医療機関から振り込まれた金額は他科医療機関が保険請求を算定した訳ではないので、

保険収入ではなく、自費収入やその他収入等で処理する必要があります。

特に今回のようなケースは眼科・耳鼻科・整形外科の診療所の専門医の先生が直面することが多い

問題です。

病院・診療所のどちらにも診療報酬請求に制限かかり、保険改定のたびに複雑化し、今や病診連携、

診診連携を妨げる問題のひとつになっています。

ということで、本日の白黒判定は↓

本日の白黒度

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